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2013.12.08 Sunday

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    2013.08.30 Friday

    久しぶりにアマゾンリンクをぺたり。

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       おっ久しぶりです。

       こぱんの更新から二週間以上、自分の更新からは二十日以上も軽く放置して何やってたかと言われると思い出せないくらいには何もやってなかったわけですが、強いていうなら、ネジXの更新が特筆性の無いものにまで落ち着いてることが収穫といえば収穫でしょうか。
       隙あらば文筆をサボる人間性なので、多少なりとも直せているなら喜ばしいことです。

       久しぶりに活字の本を読んだので――久しぶりって辺りにどうしようもなさが漂ってきますが、さておき――ちょっとその読書感想文など書いてみたいと思います。
       ちょっとした、夏休みの宿題気分。

       

      『平行植物(La botanica parallela)』1976 レオ・レオーニ

       

       鼻行類やアフターマン辺りと並んで知られる世界三大奇書の一冊。架空の植物群である「平行植物」についての総括的な学術書の体裁をなした、いわゆる幻想博物書というやつです。
       著者のレオーニはオランダ出身イタリア育ちの絵本作家で、『スイミー』は小学校の教科書にも載るくらい日本でもよく知られてます。

       さて、この平行植物。ちょっと名前だけ聞いてもどういうものかいまいちピンときませんが、「パラレル植物」とでもいうとイメージが伝わりやすいかもしれません(英訳版のタイトルは『Parallel Botany』ですから、そう外れた訳でもないはず)。実在しない植物をさも存在するかのように学術書の体裁で記述する――という意味でもパラレルではあるのですが、もっとパラレルなのが、本書の中で語られる平行植物が持つその性質。
       平行植物群は、まさしくパラレルワールドの植物がその陰だけを現実へと落としこんでいるような、そんな奇妙奇天烈な生態を持っているのです。

       まず、平行植物は触れません。触ると消えます。あと、なぜかよく見えたり見えなかったりとかします。写真にも写りません。でも、写真にしか映らないのもいます。成長したり枯れたりすることがありません。色は概ねどれも黒いですが、偶に一部分が銀色に光ってるのもいたりします。

       何でコレほど不可思議なシロモノがそれでも植物なのかといえば、どう見ても植物にしか見えないからです。
       ……形而上学的な所に片足突っ込みながらも、飽くまで学術的に平行植物に取り組む、本書の中に生きる平行植物学者の方々には全く頭が下がります。

       この本の狙いは存在しない植物について書いて描くことでその実体感を持たせることそのもの。次いで、平行植物という特殊な生態を通して存在に対する哲学をすることだと思います。個人的には、やはりこの狙いの第一義、「だからどーした」と言われるとそれまでですが、こうした楽しみ、或いは芸術そのもののために書かれた本というのは極めて僕好みな代物で、たいそう楽しく読み切れました。

       ……あとほら。
       なんのかんの言って絶妙に衒学的なのが、ね。僕らオタクだからさ。好きでしょ、こういうの? クトゥルフもメジャーになりすぎた感あるしさぁ。次は平行植物の時代来るね。「タダノトッキ」の生い茂る庭とか「森の角砂糖バサミ」の盆栽とか、どう?

       さて、前述のとおり、本文は全体を通して極めて学術書的。加えて翻訳特有の仰々しさやわかりづらさがあるものですから、あまり読みやすい方ではありません。が、その翻訳の効果でもってレオーニの狙いである「学術書らしさ」は頗る強められているようです。
       本文中には、イタリアの平行植物研究が世界的に見ても著しく遅れていることを非難する箇所があったり(原書はイタリアで発行されてます。遅れの主な理由は政治家と役人の怠慢。……ホントみんな自国の公務員大っ嫌いなのな!)……後半、作者と同姓同名のレオ・レオーニという童話作家の作品について触れている部分など、作者の遊び心が垣間見える箇所もあるわけですが――翻訳された文章を読む日本人の私ではわからない「遊び」の部分が、もっといくつも隠されているような気がしてなりません。

       翻訳は飽くまで原書を読みやすくする工夫の一つでしか無いわけですが、それでも元の作品に他人の手が入ったものであることは間違いなく。ある意味で二次的に、一人の手で作られたものが二人、三人と複数人の手を介すことによってその存在感、現実感を増すというのはちょっと面白い現象だと思います。

       原書で原文を読めないのは勿体無いことではありますが、翻訳されたものを読むのにもそれはそれでいい点もあるのだなぁ、などと何事もプラスに考えた辺りで本日はこの辺で。お粗末様でした。
      2013.12.08 Sunday

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